コエンザイムQ10の摂取に上限はある?

人間の体に必要な栄養素でも、摂り過ぎると逆に体調を崩してしまうものがあります。
そのため成分によっては摂取の目安として上限量が定められています。
では、コエンザイムQ10には上限があるのでしょうか?
また、その上限量はどれくらいなのでしょう?

コエンザイムQ10の上限について

コエンザイムには大きく「医薬品」と「健康食品」の2種類があります。
医薬品のコエンザイムQ10はユビデカレノンという名称で心臓疾患のお薬として扱われており、病院などで処方されています。
一方、食品のコエンザイムQ10は健康をサポートする成分として、サプリメントなどの形状で一般に販売されています。

摂取の上限は、医薬品のコエンザイムQ10が一日30mgです。
しかし、食品コエンザイムQ10は具体的な上限が決まっていません。(2018年2月現在)
そのため、市販されているサプリメントでも1日の目安摂取量が製品によって異なっています。

厚生労働省では、過剰摂取を予防するための対策が進められていますが、そもそもコエンザイムQ10の過剰摂取に関するデータが少なく、具体的な上限を決められないのが現状です。

コエンザイムQ10の安全性について

安全に摂取できる量は?

上限がないと聞いて気になるのが、安全性です。

コエンザイムQ10は、多量に摂取しても問題ないと言われているほど安全性の高い成分です。
例えば、欧米で行われたパーキンソン病初期の病気治療のための研究では、1日1,200mgのコエンザイムQ10を1年4ヶ月間服用しても深刻な副作用が出なかったという例があります。※1
また、「日本健康・栄養食品協会」が世界中のコエンザイムQ10に関する論文を調査したところ、1日600mgの摂取でも問題ないことが明らかになっています。※2

ただし、いくら安全性が高いといっても、100%安全とは限らないのも事実です。
具体的な上限量がわかっていないという現状もあり、厚生労働省では医薬品に合わせて、サプリメントでも上限30mgを目安にするよう呼びかけたり、30mg以上を摂取目安にする際には各メーカーで安全性を確認するよう指導したり、取り組みが行われています。

※1日本コエンザイムQ協会理事長 山本順寛「過剰摂取問題」日本コエンザイムQ協会2018/03/02
※2財団法人 日本健康・栄養食品協会「コエンザイムQ10の安全性並びに1日摂取目安量に関する当協会の見解」 2018/03/02

健康被害について

日本ではコエンザイムQ10サプリメントの販売が認められた2001年から、さまざまなサプリメントが販売されてきました。
その多くが1日の上限を30~300mgとする製品でしたが、これまでにコエンザイムQ10による明らかな健康被害は確認されていません。

このことからも、健康食品のコエンザイムQ10は製品の摂取目安量を守っていれば30mg以上を摂取しても安心して利用できるといえます。

コエンザイムQ10摂取上限の検討について

コエンザイムQ10の摂取上限については、「日本健康・栄養食品協会」から厚生労働省へ1日300mgを上限にすることを提案している話もあります。
その理由は、先にもご紹介しましたように、多量に摂取しても安全性が高く、かつ、1日600mg摂取しても安全だとデータから確認できていることから、半量の300mgを上限にしようというわけなのです。

コエンザイムQ10の上限量について、ある程度の目安を持っておきたいとお考えなら、この300mgを念頭に置くとよいでしょう。

このように、健康食品のコエンザイムQ10には具体的な上限量がありません。
各メーカーは長期摂取での安全性を確認したうえでサプリメントを販売しています。
これからコエンザイムQ10サプリメントの購入を検討する方は、信頼できるメーカーの製品で、自分に合ったものを選んでみるとよいでしょう。

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